JONPFレターNo.07|一般社団法人 日本NP教育大学院協議会

JONPFレターNo.07

JONPFレター No.7 看護実践能力の強化に向けて

公立邑智病院 
看護部長/診療看護師(NP) 日高美晴

 島根県公立邑智病院の日高美晴と申します。大分県立看護科学大学大学院で履修し、診療看護師(NP)として今年で8年目になります。50才前でのチャレンジでしたので、大学院の先生方はもちろん、同期の方にもいたわってもらいながら資格を取得することができました。今でも大変感謝しています。 
 私は、病院から派遣という大変恵まれた形で大学院に進学させてもらいました。当院は、医師不足に悩まされ続けていましたので、当時の管理者が、病態を理解しアセスメント能力に優れた診療看護師(NP)のような看護師が医師不足の部分を下支えし、地域医療に貢献できるだろうと判断したわけです。その後、当院から私と同じように1名の看護師が大学院に派遣され診療看護師(NP)の資格を取得しました。現在は看護部、診療看護の部署で診療看護師(NP)として2名で活動しています。
 資格を取得してからの私のミッションは、看護の質の向上、医師の負担軽減、多職種との協働でした。自分自身の看護実践能力とともに看護部全体の実践能力を上げていくことを考えました。その活動のひとつとして、当初から続けていることがありますので、それについてご紹介します。
 それは、看護師を対象に患者さんの病態や看護実践などについて話をすることです。朝、医局のカンファレンスに参加し、前日入院の患者のプレゼンテーションを一緒に聴きます。その情報を持って病棟のミーティングに参加し、情報提供をします。短い時間ですので、すべてを伝えることはできませんが、内容を凝縮して話をします。そうすると、みんな真剣に聴いてくれます。『目的は、看護師が病態を理解して看護実践に臨めること、そうすることで自分の看護にやりがいを持つこと』です。私自身もそうでしたが、画像なんて読影どころか患者さんの身体の状態と紐づけることができていませんでした。検査の指示が出ても、画像撮影のための搬送に終わるのが常でした。もう一歩踏み込んで、いっしょに画像を見て病態理解につなげる、こうこうこうだからこういうポジショニングが適切だろう、だからこの輸液が必要なんだ、とか、そんな根拠を持ってケアにあたることができればきっと自分自身のケアに自信を持ち、実践の成果を実感し看護のやりがいにつながる、と信じてこの活動を続けています。
 今年度から看護部長に就任しました。臨床から少し遠のいてしまいましたが、もう1名の診療看護師(NP)とともに、外来での初期対応や看護部の教育などに携わっています。今はまだ慣れない管理業務に時間を取られ、現場の時間が少なくなったもどかしさを感じながらNPを続けています。当院は98床の小さな病院です。管理者ではありますが、プレイングマネージャーとして現場の感覚を大切にし、診療看護師(NP)の知識と経験を管理面に役立て、いい看護部、いい病院づくり、自律した看護師育成に注力したいと思っています。 よろしかったら、当院のホームページhttps://www.ohchihospital.jp/も是非ご覧ください。