会長挨拶|一般社団法人 日本NP教育大学院協議会

会長挨拶

診療看護師(NP)へのご理解とご支援を

日本NP教育大学院協議会 会長 草間 朋子

 

 診療看護師(NP)をご存知でしょうか。 
 診療看護師(NP)は、本協議会が実施する「NP資格認定試験」に合格し、本協議会により資格認定を受けた看護師で、2008年から今日に至るまで、本協議会の会員校である大学院修士課程において継続して養成してきた看護職です。患者さんたちの症状や病態をタイムリーにコントロールしていくために、卓越した看護実践能力に加え、患者さんたちの健康状態、生活状況等をさまざまな視点から包括的にアセスメントし、手術や麻酔等の医師でなければ実施できない医行為を除いた診療を、医師や薬剤師、臨床検査技師等の医療スタッフのみなさんと連携を図りながら、自らの判断で責任を持って実施できる能力を付加・強化された看護職です。2026年4月時点で、診療看護師(NP)を養成している大学院は19大学院になり、本協議会から資格認定を受けた診療看護師(NP)は1118名(5年ごとの資格更新修了者を含む)となりました。「いつでも」「どこでも」全ての人々に公平、公正な診療をタイムリーに提供できる看護職を大学院教育を活用して育てたいとの思いから、アメリカのNP(Nurse Practitioner)や韓国のCHP(Community Health Practitioner)、日本の駐在保健師等の実践活動を参考に、日本の医療風土に馴染む看護職として養成してきました。千人を超える診療看護師(NP)が、全国各地の病院や診療所、訪問看護ステーション、老健施設などで、患者さんからは「診療看護師(NP)に納得がいくまで聴いて看てもらい安心した」、医療スタッフからは「診療看護師(NP)は、チーム医療のパートナーとして不可欠な存在であり、助かっている」等の評価をいただきながら日々活動しております。
 超高齢社会、人口・労働人口減少社会に直面している日本において、患者さんと心理的にも最も近い距離におり、看護師としての「看る力」「聴く力」「繋ぐ力」をフルに活用し、初期診療も提供しながら患者さんの症状をタイムリーにコントロールできる能力を持ち合わせた診療看護師(NP)は、患者さんを中心とした「治し・支える医療」を進めていく上での、「チーム医療のキーパーソン」「地域医療のゲートキーパー」としての役割を果たし、効果的・効率的な医療福祉を支えていく強力な医療スタッフの一員であると信じております。
 しかし、養成教育がスタートして18年近く経過した今も、診療看護師(NP)は、本協議会の資格認定に留まっており、現行法令下での、さまざまな制限の下で活動せざるを得ない状況にあり、診療看護師(NP)としての役割、能力を十分に発揮できない状態に置かれていることを、残念に思っております。人々の「いのち」「生活」に関わる診療活動を、診療看護師(NP)自身が、諸外国のNPのようにプライドを持ち安心・安全に活動していくために、一刻も早く国の制度として整備していただくことを願う毎日です。
 本協議会では、養成教育開始当初から「入学時能力確認試験」「養成カリキュラムの標準化」「実習前のOSCE」「NP資格認定試験」「資格更新」「大学院修了後の研修」等を整備し、国際的標準との整合性を図りつつ診療看護師(NP)の養成教育を進めております。最近は、アメリカ等で活躍していたNPが、診療看護師(NP)として日本で活動することを希望し、本協議会の「NP資格認定試験」を受験するケースも見られるようになり、診療看護師(NP)に対する国際的な認知度も得られつつあることを嬉しく思っております。
 本協議会、そして診療看護師(NP)たちの悲願である「NPの国家資格化」を一刻も早く実現していくためには、医療関係者や患者さん、国民の皆さまに診療看護師(NP)の役割や活動に関心を持っていただき、医療における診療看護師(NP)の必要性・重要性をご理解いただくことが極めて重要だと思っております。診療看護師(NP)は、白衣の襟元に「NP」のバッジを着けております。このバッジが目に止まりましたら、是非、声をかけていただき、日々、切磋琢磨している診療看護師(NP)を元気づけていただければ幸いです。

日本NP教育大学院協議会会長
草間 朋子