JONPFレターNo.04|一般社団法人 日本NP教育大学院協議会

JONPFレターNo.04

JONPFレター No.4 四国でのNP活動〜7年間を振り返り、新たなスタートへ〜

倚山会田岡病院 救急科 診療看護師(NP)
海陽町立海南病院 総合診療科 診療看護師(NP)
谷口 宜子

●大学院卒業から7年間
 私は徳島県で診療看護師(NP)をしています。大学院課程を卒業後、四国こどもとおとなの医療センターで麻酔科に所属していました。総合周産期母子医療センターを掲げており小児三次救急指定病院であったため、未熟児から高齢者まで幅広い患者に関わる機会を得ました。麻酔科所属として手術室を中心に活動していたこともあり、多科の手術助手をはじめ病棟業務なども幅広く経験させていただきました。ここでの経験は、急性期における診療看護師(NP)としての活動の幅を感じました。
後に東徳島医療センターに転勤になり、外科所属急性期をはじめ回復期・慢性期・療養期の患者と接することとなりました。直接指示による診療行為はもちろんのこと、患者がより快適に生活を送るために特定行為を実施する機会も多く、PICCや胃瘻交換、褥瘡対応など特定行為を含め、地域へ帰るための支援を中心に経験しました。ここでは、急性期病院とは違う、人生に寄り添う場面での診療看護師(NP)の可能性を感じました。
 様々なシーンを経験した私は、診療看護師(NP)として地域ではどのような活動が求められているのかを考えるようになりました。地方ではまだまだ認知度が低く、徳島県でも協働する看護師や医師をはじめみな「どんなことをする人なの?」という反応です。そのような中で病院総合診療医学会のシンポジストとして招いていただき、「ひとをみる」という視点を持った同志や先生に出会ったことがきっかけとなり、新しいチャレンジをしてみようと決意しました。

●新しいスタート
 2024年の4月から二次救急指定病院である倚山会田岡病院救急科で活動をしながら、徳島県の南端にある海陽町立海南病院総合診療科での活動を開始しました。海南病院では週に1回の非常勤となります。大変嬉しかったことは、診療看護師(NP)に来てもらいたいと総合診療科医師や海南病院の職員の方々に言っていただいたことです。勤務に伴い、近隣の病院・医療施設や医師会、県庁などにもご挨拶にお伺いもさせていただき、顔の見える関係づくりも行いました。
 これからは、それぞれの病院長はじめ職員の方々や地域の皆さんの理解を得ながら、診療看護師(NP)として初めてのダブルワークが始まります。それぞれの地域に寄り添い、ニーズにあった医療の提供を目指しながらへき地医療も支えていけたらと思っています。
地域医療に興味がある方々、実習をしてみたいと思った方、ぜひ一度徳島にいらしてください。

<倚山会 田岡病院>
二次救急指定病院
徳島県徳島市万代町4丁目2-2
診療科:15科
病床数:199床
2023年度救急搬送受入件数:2349件

<海陽町国民健康保険 海南病院>
徳島県海部郡海陽町四方原字広谷16-1
診療科:内科・整形外科・外科・脳神経外科・総合診療科
病床数:一般病床30床(13:1) 地域包括ケア病床15床