JONPFレターNo.02|一般社団法人 日本NP教育大学院協議会

JONPFレターNo.02

JONPFレター No.2 救急外来でのチーム医療

地域医療機能推進機構仙台病院(JCHO仙台病院)
看護部 診療看護師(NP) 鈴木 孝平

◆病院概要
所在地:宮城県仙台市泉区
病床数384床 診療科20科 年間救急車受け入れ約2000台

◆診療看護師(NP)の活動内容 
 当院には診療看護師(NP)が5名勤務しています。所属は看護部で4名が病棟、1名が手術室配属です。
3名が診療看護師(NP)の活動を行っており、2名は各診療科のローテーション研修中です。
 私は腎臓内科・耳鼻科・小児科の混合病棟及び救急外来で勤務しており、病棟看護師としての一般看護業務、救急外来での患者対応、PICCや手術助手等依頼を受けての診療看護師(NP)の活動と3種類の勤務をそれぞれ1週間毎ローテーションしながら活動しています。

◆救急外来でのチーム医療
 当院に救急医はおらず、午前・午後当番制で救急担当医を決め、外来や手術等の通常診療と並行して救急車の対応を行っています。スタッフは診療看護師(NP)1名と病棟看護師2名、事務1名で回しています。

救急担当医
AM消化器総診外科総診腎科
PM外科整形循内総診泌尿器

限られたマンパワーの中、素早い初期対応をするための取り組みとして、主訴から鑑別疾患を考え、処置物品などを事前に準備すること、エコー下での末梢確保や、検査の提案、優先度を考えた行動、コメディカルスタッフとの情報共有などを行っています。その他、特定行為・特定行為以外の診療の補助行為、患者・家族への病状説明の補助、など多岐にわたり現場で活動しています。
 初めは診療看護師(NP)と医師のみで救急外来を回していましたが、救急車受け入れ件数の増加に伴い看護師の増員が必要となりました。診療看護師(NP)と看護部長で話し合いを行い、外科・整形外科病棟より1名ずつ救急外来へ応援に来る体制を作りました。病棟看護師へアセスメントや考えを伝えながら働くことで、フィジカルアセスメントや先を予測して行動する能力の向上が見られてきました。また入院後、注意して観察すべきポイントについても情報共有ができ、患者の安全や看護師のスキルアップにもなっており、良い連携の形が作れていると感じます。

JONPFレター No.2
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◆課題と展望
 現在、病院全体で稼働率が高く推移しており、ベッドが満床で救急車を断るケースがあります。「断らない救急」を実現するためには、限られた病床を効率よく回転させ、受け入れ病床を確保する必要があります。今後の課題のひとつとして、診療看護師(NP)とMSWが連携し、早期に介入することで平均在院日数の短縮化を図ることが必要と考えます。また、今後も病棟看護師への教育を行い、「アセスメントしタイムリーに対応できる看護師」を増やすことで、救急外来も円滑に回り、病棟での看護も安全と質が向上するのではないかと考えます。

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