JONPFレターNo.01|一般社団法人 日本NP教育大学院協議会

JONPFレターNo.01

JONPFレター No.1 第9回日本NP学会学術集会 特別企画

第9回日本NP学会学術集会 特別企画 

「ナース・プラクティショナー(仮称)制度創設に向けたOne Voiceへの取り組みと課題」について

酒井博崇
総務理事/
広報委員長/制度検討委員

 2023年10月20〜22日に北海道で開催された第9回日本NP学会学術集会(樋口秋諸大会長)において日本看護協会、日本看護系大学協議会、日本NP教育大学院協議会(以下、本協議会)の3団体による「ナース・プラクティショナー(仮称)制度創設に向けたOne Voiceへの取り組みと課題」と題した特別企画のイベントが行われました。
本協議会からは、著者が、以下の本協議会及び診療看護師(NP)の活動状況の概要を報告しました。

特別企画イベント「ナース・プラクティショナー(仮称)制度創設に向けたOne Voiceへの取り組みと課題」

 2023年4月1日現在の会員校は15校、本協議会が資格認定した診療看護師(NP)は 759名(うち、338名は、5年ごとの資格更新を修了)である。診療看護師(NP)は活動実績等をエビデンスとして学会誌等に数多く公表しているので、その一部を表1に示す。一方、本協議会は、2021年より定点調査として診療看護師(NP)を対象にした活動実態調査を行なっており、2022年活動実態調査の回答者は337名(50.2%)であった。回答者の多くが自由記載欄に意見等を記載しており、その内容を帰納的に分析した結果、①診療看護師(NP)の裁量範囲(「薬剤の選択と使用」「検査の必要性の判断と依頼」「施設・指導医師によって裁量範囲に差がある」など)、及び②診療看護師(NP)の立場・責任(「実施可能な範囲・立場が不明瞭」「責任の所在が不明瞭」「特定行為研修修了者との違い・規定がない」「診療報酬に結びつかない」「給与・処遇に結びつかない」「モチベーションの維持が難しい」など)が明確でないために、タイムリーな活動に制限があるとの赤裸々な意見が寄せられている。

 3団体では、現在、「ナース・プラクティショナー(仮称)」の国家資格化を目指し、3団体間で、「ナース・プラクティショナー(仮称)」の役割・定義やコンピテンシー及び、コア・カリキュラムに関する検討を進めております。検討にあたっては、本協議会としては、7つのコンピテンシー(HP及び日本NP学会誌.4(2) 01-02(29-30)(2020)参照)をもとに、2008年から現在まで継続し実施してきた診療看護師(NP)の養成教育のカリキュラム(表2に示す修了要件55単位以上)、資格認定試験、資格認定更新制度、修了後研修などの経験、診療看護師(NP)の活動等に関するエビデンス、実態調査を通して診療看護師(NP)の皆さんから寄せられた意見などを反映していくようにしていきたいと思っています。
診療看護師(NP)によるエビデンスの公表が、「ナース・プラクティショナー(仮称)」の国家資格化に向けて社会を動かすことになると思っていますので、学術誌等に投稿していく努力が必要と考えています。